R6-16 要望書(柏民主商工会)
団体名
柏民主商工会
陳情・要望年月日
令和6年10月28日
陳情及び要望事項
地域経済の振興を図るため中小商工業者への施策拡充を求める要請書
【要請趣旨】
中小商工業者の営業とくらし、地域経済を守るために日夜ご奮闘されていることに敬意を表します。
いま円安を追い風に大企業が輸出を増やし、株価も最高値を更新する一方、価格転嫁が追い付かない中小企業者は資材や仕入れ値高騰の直撃を受け、利益の減少に苦しんでいます。
昨年10月に実施されたインボイス制度により、新たな消費税納税を迫られるとともに、負担能力を超える社会保険料や国保料・税の引き上げが経営悪化に拍車をかけています。2024年上期(1から6月)の倒産の約9割を従業員10人未満の小規模企業が占め、倒産件数は年間1万件を超え10年ぶりの高水準を記録する状況です。
地域経済の担い手として、地域で雇用を支えてきた中小・小規模事業者が直面する危機を打開し、持続的に発展するために、自治体が果たすべき役割は一層重要です。中小商工業者への支援策のさらなる拡充のため以下、要請します。
<要望事項>
1.電気・ガス代、資材の高騰に対し、負担を軽減する助成制度など直接支援策を実施してください。
2.都道府県単位化による国民健康保険税水準の統一化に伴う引き上げはしないでください。保険料負担軽減のため自治体の基金を活用してください。生存権を脅かす徴収はやめ、減免申請を積極的に認めてください。国庫負担を増やすよう政府に要求してください。
3.小規模企業振興基本法が施行され10年、地方公共団体の責務として策定が求められる小規模企業振興条例を制定し、施策の具体化にあたって審議会を設置し、民商・県連の代表を審議員として選出してください。
4.頻発する自然災害への対策として、危険個所や老朽化したインフラの調査と解消、災害時の復旧・復興計画を立案する上で、地域を熟知する中小事業者の活用を位置づけてください。
5.物価高騰対策として、消費税の減税を政府に要請してください。中小業者に多大な実務と税負担を押し付けるインボイス制度の廃止を政府に要請してください。
6.取得は任意であるマイナンバーカードの取得を強制する健康保険証との一体化はやめるよう政府に要求してください。
7.小規模企業の社会保険料負担を軽減するため制度改正を政府に要望してください。
8.家族従業者の正当な働き分を認めない所得税法第56条の廃止に賛同してください。
9.核兵器禁止条約を批准するよう政府に求めてください。
回答部課
企画総務部 企画政策課、財政部 財政課、市民生活部 市民安全課、環境経済部 商業観光課、企業立地推進課、健康福祉部 社会福祉課、国保年金課
回答年月日
令和6年11月28日
回答内容
1.電気・ガス代、資材の高騰に対し、負担を軽減する助成制度など直接支援策を実施してください。
【回答】
本市では、国からの物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、国の施策による低所得世帯を対象とした給付金事業を実施すると共に、市独自の給付金事業も実施してきました。市の財源だけでは、物価高騰に対する給付金事業を実施することはできませんが、今後、国からの交付金を活用する給付金事業などの支援対策が示された場合には、支援の実施について検討していきます。 (社会福祉課)
2.都道府県単位化による国民健康保険税水準の統一化に伴う引き上げはしないでください。保険料負担軽減のため自治体の基金を活用してください。生存権を脅かす徴収はやめ、減免申請を積極的に認めてください。国庫負担を増やすよう政府に要求してください。
【回答】
保険税水準の統一は国が推進しているため、統一化に伴う保険税の変動はさけられません。基金はすでに枯渇しているため、活用はできません。また、一般会計からの繰入は、国保加入者(市民の2割)のみならず、ご自身の保険料を支払っている社会保険等加入者(市民の8割)にも、国保加入者分の保険税を肩代わりさせるものです。保険給付と保険料負担の関係性が不明瞭となることから、国は早期に解消・削減すべきものと位置付けているため、安易に実施することはできません。減免申請について、低所得者世帯に対しては、国が定めた基準に基づき保険税の軽減(7・5・2割)を行っています。なお、疾病、失業、廃業等による一時的な収入減は減免制度も設けています。
国庫負担の要請は、全国市長会(令和6年6月12日)を通して、国等の関係者に陳情を行っています。 (国保年金課)
3.小規模企業振興基本法が施行され10年、地方公共団体の責務として策定が求められる小規模企業振興条例を制定し、施策の具体化にあたって審議会を設置し、民商・県連の代表を審議員として選出してください。
【回答】
市では平成23年に策定した「我孫子市商工業振興基本条例」をもとに、市内商工業者に支援を行っていますので、現段階で小規模企業振興条例の策定予定はありません。
(商業観光課)
4.頻発する自然災害への対策として、危険個所や老朽化したインフラの調査と解消、災害時の復旧。復興計画を立案する上で、地域を熟知する中小事業者の活用を位置づけてください。
【回答】
市では、災害に対する予防計画、応急対策計画、復旧・復興計画で構成される我孫子市地域防災計画を策定し、幅広い範囲で防災に関する整備目標等を定めています。現在のところ、市の地域防災計画には中小事業者の活用などの位置づけはありませんが、今後も国の防災基本計画や、千葉県の地域防災計画における中小事業者の活用などの記載内容について、注視していきます。 (市民安全課)
5.物価高騰対策として、消費税の減税を政府に要請してください。中小業者に多大な実務と税負担を押し付けるインボイス制度の廃止を政府に要請してください。
【回答】
消費税の税率については、社会保障の安定財源の確保、財政の健全化、経済状況等の見地から、また、インボイス制度につきましても、消費税の適正な課税という観点から、国において適切に判断されるものと考えます。 (財政課)
6.取得は任意であるマイナンバーカードの取得を強制する健康保険証との一体化はやめるよう政府に要求してください。
【回答】
国の方針に従い、マイナンバーカードと健康保険証の一体化は任意であること、マイナンバーカードを取得していない人やマイナンバーカードを取得しても健康保険証の利用登録を行っていない人には、健康保険証に代わる「資格確認書」を交付することから健康保険証廃止の撤回等を要請する予定はありません。 (国保年金課)
7.小規模企業の社会保険料負担を軽減するため制度改正を政府に要望してください。
【回答】
社会保険については、事業種にもよりますが、健康保険・厚生年金保険は、法令上加入が強制となっていない事業所もあり、現時点で一概に社会保険料を軽減する制度を導入することは、公平性に欠けるものと考えます。
また、短時間労働といった多様な雇用関係が存在する中、雇用保険の被保険者とならない労働者もおり、貴会要望が労働者の環境改善に繋がるものとはならない可能性もあります。そのため、現時点では、貴会要望に沿って、市として要望を行う予定はありません。 (企業立地推進課)
8.家族従業者の正当な働き分を認めない所得税法第56条の廃止に賛同してください。
【回答】
所得税法第56条の規定に関しては、様々な議論があることは承知しておりますが、立法趣旨として納税者間の税負担が不均衡とならないためのものと考えます。
同条については、多様化する働き方の中において、廃止又は改正を含め、税制度全体で考察すべきものと考えますので、市から要望を行う予定はありません。
(商業観光課、企業立地推進課)
9.核兵器禁止条約を批准するよう政府に求めてください。
【回答】
批准への判断は、国の専権事項だと捉えております。
2024年11月1日現在、世界8,429の都市が加盟している平和首長会議の一員である我孫子市としましては、「核兵器のない世界」を実現するために、今後も平和首長会議と歩調を合わせながら核兵器廃絶に向けて努力していきます。 (企画政策課)
